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毎年毎年、言われて初めて数日後に祝いをしていたら今年は先手を打たれた。
『僕、9日誕生日なんです。今年は当日お祝いして下さいよ』
そんな風に言われたら、無下にもしづらくて。
何をやろうか、なんて柄にも無い事を考えてしまう。
長年、温めていた想いは今更表には出せなくて。
甘えられても、応えられない。
今年は幸季の方からアプローチしてくれた所為で、少し楽になった。
「三木さんっ!」
当日、ぱたぱたと走り寄って来る幸季に思わず口元が緩む。
「ほら、やるよ」
「ふぇっ!?」
放り投げた小さな箱を何とかキャッチして、幸季は此方を睨んだ。
「もう…急に危ないじゃないですか!」
「悪いな。ま、当日にやったんだから文句言うな」
「…何なんですか?これ」
「プレゼント」
「ぷれぜ…ぇえ!?三木さんが!?僕に!?」
余りに大きなリアクションに今まで俺の事をどんな風に思っていたのかが解る。
「そんなに意外か」
「意外です。でも…」
幸季は少し俯いて、小さな箱を握り締めて。
「凄く嬉しいです…」
呟かれた言葉に、心臓を鷲掴みされた様な感覚に襲われる。
今更、言える訳が無いのに。
▲end