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可愛い君のお祝いに、何をあげたら良いかな。

「宮田君、誕生日近いよね」
「えっ何で知ってるんですかっ?」
「秘密」
「またそうやって誤魔化すんですから…」

口を尖らせて上目遣いに此方を見やる姿はまるで小型犬の様で、心くすぐられる。

「何か欲しい物はある?」
「んー…特には…」
「じゃあ、僕が勝手に選んじゃうね」

そういうと宮田君は瞳を丸くして、少しだけ身を乗り出した。

「…くれるんですか?」
「迷惑じゃなければ」
「そんなっ、迷惑だなんて!」
「じゃあ、次会った時、楽しみにしていてね」
「ッ…有難う御座いますっ」

ほんのり頬を上気させて、満面の微笑みで喜んでくれて。
素直に感情表現が出来る宮田君が少しだけ羨ましくなる。

「折角だから、今度飯でも奢るよ」
「良いんですか?」
「誕生日祝いだよ」
「じゃあ僕ラーメンが良いです!」
「そんなんで良いの?」

苦笑を浮かべると、宮田君は苦笑の意図が掴めなかったのかきょとんとした表情をした。

「宮田君が食べたいなら、それで良いんだけど」
「はいっ」

きょるん、とした笑顔をされて、言葉が出て来なくなった。
…誕生日、おめでとう。





▲end