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「並んだ…よ」

腕の中でまどろみながら、柔らかな鈴の様に貴方は呟いた。
何処か夢の世界にでも居るかの様にうっとりとした表情に、此方迄夢現つになる。

「もう、年上面なんかさせないんだから」

得意気に声を張る貴方に、本当に同じ歳になのかと思わず疑ってしまう。

「でも…もう歳を取るのも、あんまり嬉しい物じゃないね」

苦笑する貴方に、違いないと微笑って返す。

「…有難う」
「何が?」
「何がって…プレゼント」
「大した物あげてないのに」
「そんな事無いよっ」

視線が左手の薬指に落ちる。
細い指にキラリと光る、銀色の指輪。

「誕生日プレゼントに指輪だなんて、気障だけど」

貴方はそう言ってくすくす微笑いながらも、声色は本当に嬉しそうで。

「お気に召しませんでしたか、姫君?」

口元は緩めて、抱き締める腕には力を込めて。
左手を取り、指輪にそっと口付ける。

「諏訪部君、やっぱり気障…」

頬が赤くなったのを隠す様に俯いて、唇を尖らせて此方を見上げる貴方は本当に可愛らしくて。

「お誕生日、おめでとう」





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