■■ いいこと聞いた ■■
「…最近冷たい」
「は?」
二人で仲良く並んで寝てた筈なのに、急に腕の中の宮田さんに文句を言われた。
「もっとシて欲しいの?」
「そうじゃなくて!」
むき出しの肩を抱き寄せたら拒絶する様に押し返された。
…少し傷付いた。
「前はもっと遊びに来たり行ったりしたのに!」
何かその言い方はまるで…。
「もっと構って欲しいの?」
「違…ッ」
「あ、赤くなった。図星ー」
「違うったら違うもん!」
「もう、宮田さんの意地っ張り」
「違うってば!!」
耳まで赤くしてそんな事言われたって信憑性ゼロ。
まるで信じられない。
「もっと素直に甘えてよ」
照れ隠しに寝返りを打った宮田さんの、白い背中に口付ける。
「俺、いっぱい構ってあげるよ」
「…それじゃ何だか僕が構って欲しいみたい」
何が違うの、なんて聞いたら怒るに決まってるから俺が折れてみる。
「うーん…じゃあ俺が構いたいって事にする」
「……そしたら…そしたらもっと、会える…?」
背中越しの言葉は、垣間見えた宮田さんの可愛い本音。
俺には、宮田さんを独り占め出来る良い口実。
「もっと会える様に、もっと電話するしメールもする」
「約束だよ…?」
「ん、約束」
約束の印に、寝返りを打って此方に向き直した宮田さんのおでこにキスをした。
何つーか、いつも強がりな宮田さんの可愛い言葉が聴けて嬉しかった、かも。
なんてからかったら、やっぱり怒るかな。
▲end