■■ 星‐FleurDeRose‐ ■■
俺には、眩し過ぎる。
「……ら…ん……柿原君!」
「ぇ、あ…」
「どうしたの、ぼーっとして」
「いや…何でも無いです」
「どーせ僕の話聴いてなかったでしょ」
「ぁ…」
むす、と膨れっ面をするこの人は年上にはまるで思えなくて。
「だ・か・ら!『星の王子さま』の話!」
「『星の王子さま』…サン=テグジュペリの?」
「そう、それ!その名前が出て来ないって話をしたのに…」
俯いた宮田さんは、コーヒーをスプーンで混ぜる。
何も加えてはいないのに。
「…ホントに僕の話、聴いてなかったんだ」
「あの、それは本当に…済みません」
「うーん……じゃあ、ケーキ1個で許してあげる」
先程とは打って変わった笑顔で、宮田さんはおねだりをした。
不思議な、存在。
「…どれにしますか」
「あ、このパフェ!苺のやつが良い!」
「ケーキじゃないし」
「細かい事気にしてたらハゲちゃうよ」
「俺はハゲ遺伝子無いです!」
「解らないよぉ?」
この人の言葉、仕草一つで、価値観、世界観が揺らいでしまう。
不思議な、存在。
「『星の王子さま』…ね」
「?」
星に一つだけの我儘な赤い薔薇を愛した、王子さま。
▲end