■■ 向日葵の恋煩い。 ■■
「向日葵って、太陽に恋してるみたいだと思いません?」
「…」
宮田さんは所謂キョトン顔。
「えっ、あれっ、俺変な事言いました!?」
「いや、変じゃなくて…ロマンチックな事言うなぁ、と思って…」
嗚呼もうキョトン顔すら可愛いよ。
「向日葵が、お陽様に恋……かぁ」
宮田さんは、青空を仰いだ。
それから此方を見て、微笑った。
「悪くないんじゃない?」
悩殺スマイル。
「僕、向日葵の花、好きだよ」
「あ、俺もです!」
「ホント?何か…元気な感じが好き」
何て可愛い横顔スマイル。
「羽多野くんはロマンチストだね」
「そ、そうですか?」
「向日葵の、太陽を追い掛ける性質が『恋』だなんて」
「な…改めて言われると照れますね…」
「自分で言ったのに?」
くすくす微笑う顔が可愛いです。
「俺は…向日葵かな…」
「え?何か言った?」
「いやっ、何にも!」
「…?」
また空を仰ぐ宮田さんの横顔を見詰める。
それはさながら夏の日の向日葵。
太陽を見詰めて朝から晩まで。
それはまるで恋煩い。
「俺にとっての太陽は…宮田さんだから…」
▲end