■■ 白い日。 ■■





「………ん…」

いつもより丁寧に、いつもより濃厚に。
舌がとろけそうな程の熱いキスを、貴方に。

「ッ…ふ……は、ぁ」

いつもとは違う雰囲気に、宮田さんの肩が強張る。

「と…ぃちゃ…ん!」
「…ん?」
「舌…動かし過ぎ…っ」

頬を赤らめ、口を手の甲で押さえる姿には初々しさが残っていて、何処か艶めいている。

「今日はホワイトデーだから、たっぷりお返しをしないとと思って」
「お返し…って、あのチョコの…?」
「そう。3倍と言わず10倍100倍にして返しますよ」
「な、返す、の意味が…違…ッん!」

主導権は、俺。
唇を奪って、舌を入れて、ゆるゆると犯す。
いつもとは、少し違うキス。
ありったけの愛を込めた、宮田さんにだけ捧げる、キス。

「ふ、っ……んぅ…ぁ」

浅く肩で息をする宮田さんの首筋に手を添え、息継ぎの合間にも舌を絡める。
与える。
捧げる。
愛を、キスを、ひたすらに。

「…ん…ぁう……やぁ…!」

肩を強く押されて唇を、舌をやっと放した。

「ら、来年は…チョコ…あげない…っ!」
「良いですよ。俺が、チョコの代わりにキスをあげますから」
「ッ!要らない!」





▲end