■■ 湧き上がる愛しさ 募っていく ■■





声に出来ないよ

俺には貴方がいないと駄目なんだ。
擦れ違ってばかりで。
逢えない事がこんなに辛くなるなんて思わなくて。
なのに、貴方を失うのが怖くてぶつかっていけなかった。

抑えきれないよ

今すぐ会いたい。
会いたい、会いたい、会いたい…!
擦れ違いの日々は戻らないけど。
忘れかけた温もりも取り戻すから。
絡まった糸も一本一本解くから。
だからもう一度だけ、抱き締めさせて…!

「宮田さん…!」

貴方が好きで好きで堪らない。

「浪…川…くん…」

真夜中の来訪者に、貴方は目を丸くした。
泣き腫らした赤い目が痛々しい。

「宮田さん…好きです」

きつくきつく抱き締める。

「好きなんです…!」

動かない貴方。

「別れるなんて言わないで下さい…」

泣きながら懇願する俺は、貴方の目には醜く映ってるのだろうか。

「好きです…」

もう二度と、寂しい想いなんてさせない。
苦しめたりなんてしない。

「好き…です…」

貴方への想いは募るばかりで。
愛しさが溢れて止まない。

「もう二度と、僕の事一人にしないでね…!」

白い夜に、貴方の声が大きく響いた。





▲end