■■ 欲しいのは真心-ぬくもり- ■■





宮田さんは何にも解ってない。

今日は何食べたい?…とか、映画見よう?…とか、気遣かってくれるのはとても嬉しい。
でも、俺が欲しいのはそんなんじゃない。

結局宮田さんが腕を奮ってくれた手料理を食べて、その後二人で選んだレンタルビデオを見てる。
映画に集中しているのか宮田さんは俺の隣で静かに画面に見入っていて。
俺はと言えば、映画なんかより隣の宮田さんが気になって仕方無い。
時々、内容に反応してぴくりと肩が動くのが俺には堪らなく可愛かったり。
ハリウッドにお決まりのラブシーンに差し掛かった時、思わず欠伸が出そうになった。
いかん、と必死に堪えたけど、宮田さんには通じなかった。

「飽きた?」

こくりと首を傾げて此方を伺う仕草にそれこそ萌えだ。

「いや…」
「でも、つまんなさそう」
「…バレました?」
「バレバレ。だって僕は松風君の恋人なんだから!」

可愛い事言ってくれるよこの人。

「じゃあ、俺が今何が欲しいか解りますか…?」

そっと囁いて肩を抱くと、宮田さんは「仕方無いなぁ…」と言って俺に向かって座り直した。

いつだって俺が1番欲しいのは、貴方のぬくもり。





▲end