■■ 無邪気 ■■
「宮田さんって鳥海さんと付き合ってんの?」
「んぇっ!?」
俺の突然の質問に、宮田さんは素っ頓狂な声を上げた。
「今すっごい変な声出た!図星だ!」
「違ッ…!別に付き合って無…」
「ふーん…?」
宮田さんてあんま嘘の上手な人じゃないから、嘘ついてたら直ぐに解る。
多分、付き合ってないのは本当だ。
「鳥海さんの事、好きなの?」
「え、だって僕も鳥ちゃんも男だよ?」
「宮田さん頭固いなぁ」
「よっちんが柔らかいんだよ…」
「じゃあさ、俺と鳥海さん、どっちが好き?」
「ふぇっ!?」
意外な質問だったのか、宮田さんはまた変な声を上げた。
可愛いなぁ。
「どっちなんて比べられないよー…」
「じゃ、恋人にするなら!どちらかと言えばっ?」
更にまくし立てると、宮田さんは困って顔をしかめた。
「俺なら宮田さんの事、幸せにしたげますって!」
だから俺を選んでくれと言わんばかりに距離を詰めると、宮田さんは思い付いた様に口を開いた。
「確かによっちんなら幸せになれそう」
「っでしょ!?」
宮田さんがそう言ってくれたのが嬉しくて、思わず言っちまった。
「宮田さん俺と付き合っちゃおうよ」
▲end