■■ 約束 ■■





「愛してます」
「…もっと言って」

俺の腕の中で、俺の胸に顔を埋めながら貴方は我が儘を言う。

「世界中で1番愛してます」
「もっと」

物足りない、と背中に回された腕に力を込められる。

「ずっとずっと、未来永劫、宮田さんだけを愛してます」
「もっと…杉田君の愛を全部頂戴…」

そして、濡れた瞳で此方を真っ直ぐ捕らえて離さない。

「愛も、心も体も、未来だって俺の全てはもう宮田さんにあげたんですよ?」
「でも…不安だから…」

そう言うと、薄い唇で俺の鎖骨に口付けを落とし、ぺろりと喉を舐めあげる。

「一緒に居る時はいっつも、沢山言ってね」
「嫌だ、って言われても囁いてあげますよ」

耳たぶを甘噛みして、舐めて、そのまま囁く。

「愛してます」

貴方の耳がおかしくなる程囁いてあげる。
それで貴方が満たされるなら幾らでもこの身を捧げてあげる。

それは二人だけの、まるで何かの儀式の様な、約束。

愛してる、愛してる、愛してる…。





▲end