■■ 俺だけの君 ■■
雑誌のインタビュー頁に目を通す。
俺と宮田っちの、二人の頁。
「宮田っち」
「ん…なぁに…?」
俺の隣の宮田っちはうたた寝を始めていたみたいで、声に覇気が無い。
「抱き締めて良い?」
「えっなん…」
「宮田っちが好きだから」
返事を待たずに宮田っちを腕の中に納める。
細い体はすっぽり納まって、ふわりと香るシャンプーの香りが心地良い。
「直ちゃ…どうしたの…?」
「何か、あの雑誌見てたら…宮田っちが俺だけの宮田っちじゃなくなっちゃうみたいで…」
「それって…嫉妬?」
「だって宮田っちの可愛いトコ、沢山の人に見られちゃうんだよッ?」
まくし立てる様に一気に言うと宮田っちは、小さい子供をあやす様に回した手で俺の背中をぽんぽんと叩いた。
「直ちゃんは心配性なの。僕は他の誰の物にもなったりしないよ」
「ぅん…」
抱き締める腕に力を込めると、宮田っちは、小さい子供みたいだと微笑ったけど。
「宮田っち大好き…大好き…」
凄く凄く好きだから、不安になったりするんだって、気付いてよ。
「僕も…大好き…」
背中に回された腕の温もりが、少しの勇気を俺にくれる。
「大好きだよ」
▲end